音楽ゼロ、悪役ゼロ、逃げ場ゼロ——『博士の異常な愛情』に埋もれた1964年の核悪夢が、今になって観客を眠らせない

同じ年、同じスタジオ、ほとんど同じ物語。片方は伝説になり、片方は忘れられた——そして忘れられたほうが、いまだに人の夢に出てくる。
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音楽ゼロ、悪役ゼロ、逃げ場ゼロ——『博士の異常な愛情』に埋もれた1964年の核悪夢が、今になって観客を眠らせない · Avonetics

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Closes with the original song “片方のピアス、まだ光ってる”.
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1964年、ハリウッドは同じ悪夢を二度撮る。

片方は伝説になる。もう片方は、ほとんど誰にも観られないまま棚に沈む。

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そして今、その沈んだほうが静かに掘り返されている。シドニー・ルメット監督『未知への飛行』。技術的な故障によって、アメリカの爆撃機編隊がモスクワ核攻撃の命令を抱えたまま帰還不能点を越える。誰も呼び戻せない。前提は『博士の異常な愛情』とほぼ同じだ。同じ年、同じスタジオ。違うのは、こちらは一度も笑わないこと。

最初に観客を捕まえるのは、無いものだ。

この映画には劇伴が一切ない。スコアがゼロ。多くの人はしばらくそれに気づかない。ただ息が浅くなり、理由が分からないまま座席に沈む。ルメットは、あらゆるスリラーが使う「今こわがれ」という合図を丸ごと取り上げた。残されたのは部屋の空気と、人の呼吸だけだ。

もう一つ、この映画には欠けているものがある。悪役だ。

『博士の異常な愛情』は、問題は人間だと言う。壊れた、偏執的な、いびつな人間だと。『未知への飛行』は、問題はシステムだと言う。登場人物は全員が有能で、正気で、職務を正しく果たしている。それでも世界は終わりかける。止めるべき狂人がどこにもいない——そこが、多くの観客の背骨を折る。

例外が一人だけいる。ウォルター・マッソーだ。後年のコメディ的イメージとは正反対の、冷血な学者。数千万人が死ぬ先制攻撃も、計算が合うなら受け入れられると、彼は落ち着き払って論じる。

この人物には実在のモデルがいる。

「マッソーの役はハーマン・カーンがモデルだ」と、ある熱心な映画ファンは指摘する。RAND研究所に在籍した戦略家で、優位にあるうちにソ連を叩くべきだ、ヨーロッパもアメリカの都市も焼かれるが割に合う、という主旨の論考が権力の中枢を巡った人物だ。「彼はヴェルナー・フォン・ブラウンと並んで、ストレンジラヴ博士そのもののモデルでもある」と同じ人物は続ける。つまり二本の映画は、同じ実在の亡霊を、笑いと沈黙という別々の顔で撮っている。

物語のクライマックスは、爆発ではない。電話だ。

ヘンリー・フォンダ演じる大統領は、出演時間の大半を、何もない部屋で通訳と二人きり、ソ連首相との回線に費やす。動きはない。それでも耐えがたい。「大統領と通訳が交渉する場面こそ最良だ」とある人は書き、通訳を演じたのが後に『ダラス』のJ.R.として知られるラリー・ハグマンだったことを付け加えている。訳し終えるまでの沈黙に、世界が乗っている。

だが、この映画は全員を納得させたわけではない。むしろ観客は真っ二つだ。

最も強い批判はこうだ。「システムのせいにするのは逃げだ」と、ある人は切り捨てる。「『博士の異常な愛情』は、破壊する能力そのものに何十億ドルも注ぎ込む行為を見つめ、そこに人間の深い欠陥を見ている。風刺だけが持てる明晰さだ」。同じ人物は、キューブリックが恐怖を笑いに変えたという言い方自体にも異議を唱える。不条理であることは、悪夢性を少しも薄めない。

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さらに手厳しい声もある。「あの結末はアメリカ政府の道徳性という空想で、核の応酬は封じ込められるのだと自国民を妙な形で安心させるためのものだ」と別の人は論じる。「その意味で、不真面目なのはこちらの映画のほうだ」。同じ人物は形式面でも少し退屈だったと認めつつ、それでもマッソーの人物が喜劇的でも道化的でもないぶん「この映画は『博士の異常な愛情』より確実に怖い」と譲る。

擁護派の言葉は、もっと個人的だ。

「大統領の道徳的ジレンマと、彼が下す決断と、あの最終シークエンスは、一生私の恐怖と夢の中に潜み続ける」とある人は書く。子どもの頃からホラーを浴び続けて恐怖に鈍感になったと自称する人でさえ、この冷戦ドラマだけは本物の悪夢をもたらしたと告白する。「何百万もの死と、何十億もの命が現実に危険に晒されること。それが究極のコズミックホラーだ。しかもそれを、私たちが私たち自身に対してやる」

無音の演出にも、専門家からの援護が入る。ドキュメンタリーの編集をしているという人は、現場では意図的に音楽なしのパスを早い段階で走らせると明かす。「音楽は速く効く。一度敷くと、持ちこたえているのがシーンなのか音楽なのか分からなくなる」。ただし代償もある。「いつシーンが終わり、どこに感情が着地するかを示すものを失う。それをカット点や、人が話し終えた後どれだけ留まるかで作らねばならない」。だからこそ、ルメットの静けさは空っぽではないのだ、と。

全員が一致して嫌う場面も一つある。作中のマタドールの夢だ。「あれは最低だった」と一人が吐き捨てる。

二本の因縁は、映画になる前から始まっていた。『博士の異常な愛情』はピーター・ジョージの小説『レッド・アラート』を下敷きにしている。『未知への飛行』も同名小説の映画化だ。ジョージとキューブリック側は、あまりに似ているとして『未知への飛行』の原作者を著作権侵害で訴え、法廷外で和解した。原作同士が、すでに気まずいほど似ていた。

物語はそこで終わらない。2000年、スティーヴン・フリアーズとジョージ・クルーニーらがテレビで生放送のリメイクを敢行する。マッソーの役はハンク・アザリアが演じた。「オリジナルより先にそちらを観た」という人もいる。

残る問いは一つだけだ。あの結末は悲劇なのか、それとも残された唯一の合理的な手なのか。

答えは、観る側が冷戦をどう記憶しているかで変わるらしい。冷戦の真っ只中、12歳でテレビ放映を観たという人はこう書く。「私は両方とも、システム——つまり相互確証破壊を裁いた映画だと思う。片方は技術的故障で、もう片方は暴走する人間で、同じ的を撃っている」

この一本をめぐる決着は、番組の二人のホストが真っ向からぶつかりながらつけにいく。

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